授業日誌
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定期テストと自己調整
2学期が始まり、「夏休み課題テスト」から続けて「定期試験」がやってきます。「一緒にやればいいのに…」「学校ってテストが好きだなあ」とため息をつきたくなりますが、ため息をついても状況は変わりません。以前は「とにかく全部に全力を!」と思っていましたが、今では「選択と集中」が大切だと考えています。与えられたものを何も考えずに1から10まで全部やろうとしても、結局は中途半端になりがちです。特に勉強が苦手な人ほど、やりきれずに落ち込む結果になってしまうことも多いのではないでしょうか。だからこそ、取り組む前に一度立ち止まって考えてみましょう。目の前の課題を「できそうなもの」と「ちょっと難しいもの」、さらに「やる価値があるもの」と「流していいもの」に分けて整理してみる。特に中学3年生は内申点がかかっていますから、「少し頑張れば上がりそうなもの」「油断すると下がりそうなもの」に力を注ぎ、そうでない部分はあえて力を抜くのも戦略です。頭を使ってメリハリをつけること。「ここまでは頑張る!」と自分で線を引き、同時に「やらないことを決める」ことも大切です。教育現場ではあまり推奨されないかもしれませんが、この発想を身につけると勉強だけでなく人生そのものがずっと楽になります。こうして状況をコントロールする力が育ってくると、自分で納得できることが増え、自己肯定感も上がります。そして「やればできる」と実感できれば、幸福感も高まっていきます。楽しく有意義な学校生活を送るためには、この「自己調整」の力こそが鍵になるのではないでしょうか。西東京市田無の個人塾稲塾稲葉陽介
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「勉強」と「作業」の違いを考える
前回のブログから少し時間が空いてしまいましたが、今回は1年生と一緒に行った「1学期の振り返り会」について書いてみようと思います。どこかの有名なお笑い芸人さんではありませんが…私はこの会を「反省会」とは呼びません。「反省会」という言葉には、悪いところを洗い出すような、どこかネガティブな響きがありますよね。でも、私が大切にしたいのはそうではなく、自分の行動をフラットに見つめ直すこと。良かったところも、もうちょっと工夫できたところも、客観的に見つめ直すことが目的です。今回のテーマは、「勉強」と「作業」の違い。テスト勉強中にも何度も伝えていたメッセージですが、あらためてこのテーマでみんなと意見を交わしました。「作業ではなく、勉強をしよう」この言葉の意味、なんとなくは伝わっていたと思います。でも、実際の行動に落とし込むとどうなるのか?それを深掘りしてみました。たとえば、卓球のスマッシュ練習で上達する人と、あまりうまくいかない人。その違いは何だろう?という問いかけに、子どもたちからは次のような答えが返ってきました。正しいやり方を意識する作戦・計画を立てるアドバイスをもらう動画を撮って客観的に見る結果を予測して、考察する良かった時と悪かった時を比較するいろいろなやり方を試す悪いところを探す工夫をする……どうでしょう?大人顔負けの素晴らしい意見ばかりです。これを「勉強」に置き換えて行動にできれば、間違いなく成長のカーブは右肩上がりになっていくでしょう。そして、勉強に置き換えるうえで大事になるのが「言葉」です。よく「考える力を育てたい」と言いますが、私は「考える」というのはつまり「言葉にすること」だと思っています。モヤっとした思考を、ハッキリとした「言葉」にしていく。その過程こそが学びの土台になると信じています。もちろん、これは一朝一夕で身につくものではありません。だからこそ、これからも塾では「言葉を使って考える」ことを、毎日の活動の中で大事にしていきたいと思います。子どもたちの言葉が変わっていく様子、思考の輪郭がはっきりしていく様子を、これからも見守り、支えていけたら嬉しいですね。西東京市田無の個人塾稲塾
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テストの振り返りを考える
テストが終わったあとの「振り返り」って?1学期の期末テストが終わりました!特に新しい学年になって初めての定期テストということもあり、手ごたえを感じた人、そうでなかった人、いろいろだったと思います。3年生は内申点がかかってくるので「結果としての点数」も大切にしていく必要がありますが、1・2年生にとっては、点数そのものよりも「自分がどう動いたか」に注目してほしいなと思っています。「頑張ったね!」の本当の意味私もつい、「今回○点だったの?すごい!」とか「うーん、この点数はちょっと残念だったね」なんて声をかけてしまいそうになります。でも…これ、ちょっと反省です。・点数が高かった=頑張った・点数が低かった=頑張らなかったそんなふうに単純には言えないんですよね。たとえば、もともと得意な科目ならあんまり準備しなくても点が取れる人もいるし、反対にすごく頑張ったけど苦手分野が多くて思うように点が取れなかった人もいます。だから、点数の上下だけで「努力の量」を判断しないこと。これは大人も子どもも意識していきたいところです。「振り返り」は自分の成長を見つけるチャンスそこで大事にしたいのが「振り返り」です。テストが終わったあとに、「何点だったか」だけを見るんじゃなくて、今回の自分の目標は何だったか?その目標に対して、どんな準備をして、どういう結果が出たのか?ここをじっくり見てほしいのです。たとえば、「今回は英語と数学をがんばる!」と決めて、そこに時間をかけたのなら、まずはその成果を自分で確認してみる。「Unit2までは完璧に仕上げる」と決めたなら、本当にそこは仕上がっていたか?「社会の地理分野は絶対落とさない」と狙った人は、地理の問題でどれだけ得点できたか?…というふうに、「狙って行動したこと」が結果にどうつながったかを見てほしいんです。そもそもしっかり狙いを持って行動することが大切です。振り返りをするために狙いを立てるとはよく言ったもので、これができると成長速度が高まりそうだ。言語化する力を高める活動は必須ですね!「テスト直し」=ただ写すだけじゃもったいないよくある「間違えた問題をノートに写して先生に提出する」タイプのテスト直しも、それだけでは意味がありません。大事なのは、「なぜ間違えたのか?」「次はどうすればいいか?」を自分の頭で考えること。それができると、テストがただの点数競争ではなくて、「自分を成長させるための材料」になります。最後にテストって、うれしい結果もあれば、落ち込む結果もあると思います。でも、そのどちらも「今の自分を知るためのきっかけ」にすぎません。うまくいかなかったなら、「どうすれば次はうまくいくか」を考える。うまくいったなら、「なぜうまくいったのか」を言語化して、次に活かす。そんなふうに、自分の学びを自分で育てていけるようになってほしいなと思っています。点数じゃなくて、「考えて動いたこと」で成長を感じられると、勉強って楽しくなりますよ。西東京市田無の個人塾稲塾
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「英明フロンティア」中学に行ってきました
緩やかに中学受験を始めることになったので、「東京女子学院」改め「英明フロンティア」に行ってきました。何年ぶりだろう?ふと振り返ると、独立して5年目。最後に訪れたのは7〜8年前だったかもしれません。久しぶりに足を運んでみると、校舎がすっかり綺麗になっていて驚きました!英明フロンティアさんの宣伝も兼ねて写真でも撮ってくればよかったなと少し後悔。やっぱり東京の私立校は、まず施設が綺麗でないと戦えない時代なんでしょうね。立派な設備は“武器”ではなく“前提条件”になっている——厳しい現実です。さて、肝心の中身ですが、最近の教育トレンドはやはり「探究学習」です。(そもそも自分にとって興味があることを学ぶのは当たり前のように思いますが…学校ってそれが出来ないですよね。)大学入試も総合型選抜が主流となり、単なる学力では突破できない時代に変わってきています。「自分で考え、自分で動く」——この言葉、今は流行のようにも聞こえますが、本来教育の大きな目的だったことに改めて気づかされます。いつの間にか勉強が偏差値を競い合う競技のようになってしまい、実感のない“死んだ知識”を詰め込むことが目的ようになり、大学も知識を得るためではなく肩書きを得るための場所に変わってしまった。これが正しい進化だったのか、それとも歪んだ変化だったのか——ふと考えてしまいます。社会に出ても大学で学んだことを活かせていない人も多い気がします。ホワイトカラーという言葉も今では死語かもしれません。そう思うと、これは私たちの幸福感にも影響している気がします。悪い意味で。英明フロンティアさんも、そんな流れの中で「探究教育」に力を入れていくとのこと。理論は理解しやすいけど、実践となると本当に難しい。結局は先生の知識や技量、教育観にかかっていると思います。先生方も日々学びながら成長していくしかありません。今後の展開に期待しています。他の私立も同様の方向に進んでいると思いますし、私も我が子には“死んだ知識”の詰め込み教育は受けさせたくありません。だからこの変化は、いい方向に進んでいると感じます。だからこそ、公立の変化の遅さが少し心配にもなります。これが今日一番強く感じたことです。公立と私立の違いが、はっきりしてきたなあ。これからは他の学校にも積極的に足を運んでみたいです。田無からも近いし校舎も見違えるほど綺麗になって、おこがましいかもしれませんが、おすすめできそうな学校に生まれ変わった印象を受けました。もちろん、最終的には好みの問題ですが。…ただ、正直なところ、塾としてはあんまり人気が出て入試のハードルが上がると困るかも。なので、頑張りすぎず“ほどほど”に発展してほしいなと思います(笑)最後にちょっとした雑談ですが、「英明フロンティア」って、みんなどう呼ぶんでしょう?やっぱり「英フロ」かな?それとも「英明」だけ?西東京市田無の個人塾稲塾
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テスト勉強とカンニングペーパー
先日、河合塾の講師によるストライキが話題になりましたね。講師側の訴えに対して、河合塾は一切応じず、15分のストライキに対して90分の補講を実施するという対応をとったそうです。解雇こそできないものの、この返し方…。もはや直接「辞めてほしい」と言ったほうが親切では、と思ってしまいました。講師が自分の力を過信していたのか、塾側が講師の価値を見誤っていたのか。どちらにせよ、結論は当人が辞めるまで分かりませんが、つい気になってしまうニュースでした。さて、久々にブログを更新します。西東京市でも「1学期の中間テスト廃止」が広がってきているようですね。多くの中学生にとって、6月中旬が今年度最初の定期テストになりそうです。稲塾でも、少しずつテスト対策をスタートしています。特に中学1年生には、今年は「カンニングペーパー作り」をテーマにしています。もちろん、本当にカンニングさせるわけではありません(笑)。本気の「カンペ」は最高の勉強法?カンニングペーパーを作る、という行為。これって実は、めちゃくちゃ頭を使うんです。テスト範囲が教科書30〜40ページにも及ぶ中、「何を、どうまとめるか?」「どこをコンパクトに整理するか?」限られた紙面に、必要な情報を選び抜いて書くには、相当考えなければなりません。言い換えればこれは、“思考を伴ったノート作り”。ただ写すだけのノートとは全く別物です。テスト中に見るのはアウトですが、テスト前に自分で作った“最強ノート”として活用すれば、これほど力になるものはありません。勉強=「問題を解くこと」になっていませんか?多くの生徒が、ワークを埋めることを“勉強”だと思っています。確かに、解くことも大切ですが、それだけではただの作業になってしまいます。本当に大切なのは、「考えて理解すること」。自分の頭でまとめる力を身につけることです。それができて初めて、“テストが終わっても役立つ勉強”になります。点数よりも、自分の変化を見ようテスト後に「点数が良かった/悪かった」で終わってしまうのはもったいない。それよりも、「自分はどこができるようになったのか」「どこがまだ苦手なのか」を知るほうが、ずっと大事です。そのために必要なのが、“振り返るための資料”。今回のカンニングペーパーは、まさにそれになります。勉強は「繰り返し」ではなく「積み重ね」。そして積み重ねていくべきなのは、「勉強のやり方」そのものだと、私は思っています。最後に点数を取るためだけの勉強から、自分の成長を感じられる勉強へ。そんな一歩を、一緒に踏み出していけたら嬉しいです。西東京市田無の個人塾稲塾